
自宅でパソコンのマイクを使ってオンライン会議をするとまわりの音が入って相手に気をつかうのよね。

たしかにテレワークが流行り始めた頃は子供たちの微笑ましい声が聞こえても許されたけど、最近は音声環境を整えるのもマナーなんて言われているよね。

たまに通話ができるイヤホンがあるけどあまり音質がないって聞くし、みんなどんなイヤホンをつかっているのかしら。

マイク付きのイヤホンってジャンルがあるよ。高級なAirPods Proのようなものもあるけどもっと手軽に買えるイヤホンもあるよ。
本記事では自宅でのテレワークに最適な「有線マイク付きイヤホン」をご紹介。
Bluetoothヘッドセットが主流ですが、あえて「Bluetoothではなく有線」「ヘッドホンではなくイヤホン」をテーマにしています。

- Bluetooth禁止など社内規定ガチガチなPCでテレワークしている方
- 急なBluetoothの充電切れに痛い目を見たことがある方
- マイクの音質をちょっと良くしたいと思っている方

はじめに
有線マイク付きイヤホンは数が少ないです。
主流のBluetoothヘッドセット(ヘッドホン)と比べると数えるほどしかありません。
この界隈で有名なヘッドセットのマイク音質を音声録音して試しています。
今回取り上げるのは、NTTソノリティのnwm Voice Buds、ゲーミング系のTurtle Beach Recon Air、オーディオテクニカのATH-202USBです(AnkerのPowerConfやAirPods Pro、MacBook内蔵マイクも参考に紹介)。
特に声のクリアさ・マイクの集音性能を重視し、子どもの声や生活音が飛び交う家庭環境でも実用的かどうか検証を交えて比較します。

検証音源は子供たちがいるリビングの端っこで録音してるよ。
有線マイク付きイヤホンのメリット
有線マイク付きイヤホンの良い点は、
- ワイヤレスよりもマイク音質が良い(わりと顕著)
- セットアップが簡単で環境をほぼ選ばず使える
- 安い
この三点が大きいです。
他にもヘッドホンに比べて持ち運びがしやすい、締め付けないので長時間使用に向いているなど、イヤホンならではのメリットもあります。
比較結果:ATH-202USBが好き
まずは結論から。
僕はオーディオテクニカのATH-202USBを推します。
マイク音声の聞き取りやすさ、ノイズキャンセリング、価格面で総合的に優れており、今回の条件に一番合っている有線マイク付きイヤホンです。
※表は左右にスクロールできます。
| 製品名 | 価格(2025年) | 形式/接続 | マイク音質 | マイクノイズキャンセリング | テレワーク環境での実用性 | 備考 |
| nwm Voice Buds | 約8,000円(中古) →Amazon |
USB-A/C有線 | 全指向性:クリアで聞き取りやすい 指向性:こもっていてやや聞き取りづらい |
全指向性:タイピング音などを拾う 指向性:外音をほぼ取り込まない |
全指向性は聞き取りやすいが、クリア過ぎて自分の声以外を届けてしまう 指向性は自分の声以外はほぼカットできるが、聞き取りづらい |
ー |
| Recon Air | 約12,000円 →Amazon |
USB-Aドングル/Bluetooth | やや中音に偏っているが聞き取りやすい | 外音をほぼ取り込まない | 聞き取りやすく、自分の声以外はほぼカットできるが、手元ボタンの操作が複雑 ワイヤレス接続なため充電が必要 |
ー |
| ATH-202USB | 約3,000円 →Amazon |
USB-A/C有線 | やや高音寄りだがクリアで聞き取りやすい | 外音をほぼ取り込まない | 聞き取りやすく、自分の声以外はほぼカットできる | ー |
| PowerConf (参考) | 約9,000円 →Amazon |
USB-A/C有線/Bluetooth | USB:高中低音のバランスがよく聞き取りやすい Bluetooth:こもっていて聞き取りづらい |
タイピング音などは取り込まないが人の声を拾う | 聞き取りやすいが、人の声をカットできない スピーカータイプのためまわりにスピーカー音が聞こえる |
会議用スピーカーフォン |
| AirPods Pro 2 (参考) | 約33,000円 | Bluetooth(ワイヤレスのみ) | こもっているが聞き取りやすい | タイピング音、人の声を拾う | 聞き取りやすいが、人の声をカットできない | Bluetoothイヤホン |
| MacBook内蔵マイク(参考) | ー | 内蔵マイク | 高中低音のバランスがよく聞き取りやすい | タイピング音、人の声を拾う | 聞き取りやすいが、人の声をカットできない スピーカータイプのためまわりにスピーカー音が聞こえる |
PC内蔵マイク |
各イヤホンの特徴
nwm Voice Buds
NTTソノリティがクラウドファウンディングにて達成率4,000%越えで見事大成功した後、一般販売を開始した「声を届けるマイク付きイヤホン」。
音声カットにはNTTの特許技術を使っています。
残念ながら現在は生産終了しており、メルカリやヤフオクでしか入手できません。

クラファンの勢いやプレス記事が目立つこともあって、販売終了した今もこのイヤホンを探す人は多く、中古で見かけても数日で売れてしまいます。
僕もヤフオクで8,000円程度で入手しました。

「全指向性モード」と「指向性モード」でマイク音質に大きな違いがあります。
全指向性モードの方が音質がクリアです。
その分、音を拾う範囲が広いためタイピング中などは要注意です。

nwm Voice Buds インナーイヤー型有線イヤホン | nwm -ヌーム-
一方で指向性モードは、音質がこもっています。
しかし、音を拾う範囲はかなり狭く、確実に自分の声だけを届けてくれます。

nwm Voice Buds インナーイヤー型有線イヤホン | nwm -ヌーム-
実際のオンライン会議で使用した結果、同僚からもらったフィードバックは「音質がクリアすぎて咀嚼音のような音が気になる」とのこと。ショックでした・・・。
音質にこだわった結果、会議相手の集中力が切れてしまっては本末転倒のため 緊急用イヤホンとしてバッグに忍ばせています。
試していませんが、風防をつけたら音質は最強になるかも。
Recon Air
Turtle Beachの「ゲーミング片耳ヘッドセットイヤホン」。
Bluetoothに加え、USBドングル(USBレシーバーをPCに差し込むことで無線で接続)で使用が可能です。

Recon Air Headset for Xbox & PlayStation – Wireless Comfort & Sound
有線イヤホンではないのですが、Bluetoothと違い、音声遅延や音質低下がほぼないため、今回紹介しています。

ゲーミング感が強く、本体側、レシーバー側両方ともに青いランプが仕込まれており、固い職場での使用には多少の抵抗を伴います。
音質は良くも悪くもないです。
マイクが口元まで伸びるため、音声はそれなりに聞き取りやすいです。
本体に音量調整ボタン、ミュートボタンがありますが、感覚的に操作しづらくあまり使っていません。せっかく機能が多いのに、使い勝手が良くないのは非常に惜しいです。
充電持ちは、1日仕事で使い続けるくらいでは充電切れになることはありませんが、Bluetoothイヤホンのように充電ケースがあるわけでもないので、充電忘れが時々発生します。
まわりにオンライン会議をしている他の人がいるような場では、片耳イヤホンでは音声が聞き取りづらく、Recon Airを耳に入れていない左耳にはAir Pods proをノイズキャンセリングモードで突っ込んで耳栓がわりにしていました。
ATH-202USB
オーディオテクニカの「USBインナーイヤー型ヘッドセット」。

ATH-202USB|イヤホン:ワイヤードイヤホン|オーディオテクニカ
手動(アナログ)の音量調整、ミュート機能がありますがこれが便利。

調整用のリモコンが手元にあり、ダイヤルをまわすことで音量の大小をコントロール、ミュートの切り替えボタンも大きく記載があり、まず間違うことはないシンプル設計。
ミュートのON/OFFの切り替え時にパチッと音がすることをときどきレビューで見かけますが、僕は気になりません。
音質はやや高音寄りでキンキンしますが、多くのイヤホンに多いこもり気味な音声よりもこちらの方がクリアに感じます。
別イヤホンの使用時に同僚から指摘を受けてショックだった咀嚼音についてもこちらは同じ方からも言われたことがありません。
価格が安いのも非常に魅力。大体3千円あれば買えてしまいます。イヤホン慣れしていない方にも手を出しやすい価格帯のため、多くの方におすすめしています。
3.5mmジャックモデルもあり、こちらはさらに安く2千円程度で買えてしまいます。
5年以上使っており、断線もしましたがこのイヤホンに戻ってきます。
通常利用に気になる点はまったくありませんが、このイヤホンのマイク音質に低音を加えたもの、もしくは同レベルの音質のUSBドングルイヤホンがあればぜひご紹介いただきたいです。
おまけ:Power Conf
Ankerの「テレワーク用スピーカーフォン」Power Confシリーズの初代モデルです。

Anker PowerConf | Bluetooth スピーカーフォンの製品情報 | Anker Japan 公式オンラインストア
イヤホンではなくスピーカーフォンです。
複数人がいる会議室で使用することを想定した作りになっています。そのため、まわりに人がいると音が丸聞こえになります。
テレワーク流行りはじめの頃にJabraの高級スピーカーフォンか、手頃な価格のこちらのPower Confを使用している企業が多かった印象。
当時の会議室でスピーカーフォンの奪い合いが起きていたため、個人で購入して今でもときどき自宅で使用しています。
USB有線接続モードでは、マイクの音質はなかなかクリア。
高音域、低音域どちらにも偏りがなく、声が聞き取りやすい。
一方のBluetooth接続モードでは、マイクの音がかなり籠っていてUSBと比較するとかなり聞き取りづらいです。同じマイクで接続方法を変えるだけでこれだけ変化を感じるのは、有線の強さを感じます。
おまけ:AirPods Pro
比較用にAirPods Pro第二世代のマイクでも録音しています。
Bluetooth接続となり、音質は籠っていますが聞き取りやすさは他のイヤホンと比較してもそこまで悪くありません。
初代のAirPods Proのマイク音質の悪さにショックを受けて、有線イヤホンに手を出すようになったのですが、第二世代になったことで値段相応に使い物にならないような音質ではないよう進化しているようです。
おまけ:MacBook Air内蔵マイク
Bluetooth接続で音質が悪くなるのはよくわかったので、MacBook Air M2本体のマイクでダイレクトに録音した音声とも比較しています。
意外にも音声が非常にクリアです。
低音域が若干響きすぎに感じますが、高音域も耳に刺さるもこともなく、好みの音質です。
ただ、PC本体のマイクになるためノイズキャンセリングが全然効いていません。
周りの人の声や生活音もすべて取り込んでしまうため、テレワークでの実用には向いていません。
まとめ
有線マイク付きイヤホンは、Bluetoothヘッドセットより安価に手に入るにも関わらず、音質は明らかに良いです。
普段、Bluetoothしか使っていない方は一度試してみて違いを感じると、有線マイク付きイヤホン沼に入れるかもしれません。
最後におすすめのATH-202USBのリンクを再度載せておきます。
低価格で入手できるので、エントリーにピッタリです。











